遺産分割協議がまとまる前に払戻しが認められるのは預貯金の一部と聞きましたが、どのような金額が払戻可能ですか。

 遺産分割協議がまとまる前に払戻しが認められる預貯金の額は、相続が発生した時点における残高の3分の1に、払戻しを求める相続人の法定相続分を乗じた額です。ただし、金融機関ごとに150万円が限度とされています。

 たとえば、相続発生時点預貯金の残高が300万円で、払戻しを求める相続人の法定相続分が2分の1の場合、300万円の3分の1である100万円に法定相続分の2分の1を乗じた50万円を限度に払戻しが認められることになります。

 また、相続発生時点預貯金の残高が1200万円で、払戻しを求める相続人の法定相続分が2分の1の場合には、1200万円の3分の1である400万円に法定相続分の2分の1を乗じると200万円となりますが、150万円を超えてしまうため、150万円を限度に払戻しが認められることになります。

投稿者プロフィール

古橋 清二
古橋 清二
昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A
浜松西部中、浜松西高、中央大学出身
昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる
平成2年 古橋清二司法書士事務所開設
平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます

  • 設立時代表取締役の選定方法設立時代表取締役の選定方法 発起設立により取締役会設置会社でない株式会社を設立する場合の設立時代表取締役の選定方法は次のいずれでも差し支えないでしょうか。 ① 定款で定める ② 定款の定めにより設立時取締役の互選で選任する ③ 発起人が定める いずれでも差し支えない。 […]
  • 司法書士資格者、司法書士受験生募集中です!司法書士資格者、司法書士受験生募集中です! あなたも得意分野を育てて飛躍しませんか? 司法書士資格者、司法書士受験生募集中です! ◆当事務所では、司法書士資格者、司法書士受験生を募集しています。 ◆司法書士3名、パートさんを含め、総勢8名のアットホームな事務所です。 ◆ホームページをご覧になってわかるとおり、不動産登記、商業・法人登記、裁判業務、後見業務等、バランスよく行っている、創業50年の歴史のある事務所で […]
  • 設立時代表取締役の選定方法設立時代表取締役の選定方法 設立時代表取締役の選定方法 ①定款に選定方法の定めなし A非取締役会設置会社 発起人による選定 B取締役会設置会社 設立時取締役による互選 ②定款に選定方法の定めあり 以下のいずれかの方法を定款で定め、その方法により選定 A定款で直接選定 B発起人による選定 C創立総会による選定 D設立時取締役による互選 ③上記の方法による選定がなされない場合 設立 […]
  • 株主総会のみなし決議って何? ハイブリッド型みなし決議?株主総会のみなし決議って何? ハイブリッド型みなし決議? 株主総会のみなし決議って何? ハイブリッド型みなし決議?   https://youtu.be/_5juIarpf9I
  • 会社法施行にあたって(2006年5月30日のブログより)会社法施行にあたって(2006年5月30日のブログより) 5月1日から会社法が施行されました。会員のみなさまの実務は順調に推移しているでしょうか。 私が副会長に立候補した際、その所信として、会社法施行に対する的確な対応を掲げさせていただきました。これは、昨年施行されました改正不動産登記法に対して、日司連のリードが必ずしも満足いくものでなかったため、会社法については日司連を頼ることなく地元で研究をして静岡から会社法の実務をリードして […]
  • 2021民法・不動産登記法改正を研究する 第15回 改正民法 共有制度の見直し ~共有物の管理者制度の創設~2021民法・不動産登記法改正を研究する 第15回 改正民法 共有制度の見直し ~共有物の管理者制度の創設~ https://youtu.be/v96Ke0Gw2oo
  • 2021民法・不動産登記法改正を研究する 第6回 不動産登記法改正案 ~相続人申告登記とは?~2021民法・不動産登記法改正を研究する 第6回 不動産登記法改正案 ~相続人申告登記とは?~ https://youtu.be/X3y2LmHrYb8
  • 【動画】年末に活躍する確定日付! こんな使い方があります。【動画】年末に活躍する確定日付! こんな使い方があります。 【動画】年末に活躍する確定日付! こんな使い方があります。 https://youtu.be/dUr6MqNVars
  • ちょっと失礼な話ちょっと失礼な話 今日、東京の知らない司法書士から電話があり、事務員さんが用件を聞いた。個人民事再生で、共済からの借り入れについて、退職金等が実質的な担保となっている件につき、別除権扱いが認められたとのこと。 このこと自体は、僕が「個人民事再生の実務」(民事法研究会)に書いておいたので、きっとそれを見て書類を書き、認められたということだろう。 そして、電話をしてきた趣旨は、その別除権につい […]
  • 【動画】中央合同事務所内の雑談 ◆相続法改正で新設された特別寄与料の請求とは?【動画】中央合同事務所内の雑談 ◆相続法改正で新設された特別寄与料の請求とは? 【中央合同事務所内の雑談】 相続法改正で新設された特別寄与料の請求とは? https://youtu.be/yS_-3XhGiUU  平成30年相続法改正により、被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族は、相続の開始後、相続人に対し、寄与に応じた額の金銭の支払を請求することができる […]
  • 仮換地の従前地に登記する賃借権登記の借賃の記載方法仮換地の従前地に登記する賃借権登記の借賃の記載方法 仮換地の従前地に登記する賃借権登記の借賃の記載方法  賃借権登記の登記事項である借賃は、土地毎に登記するものとされている。例えば、A、B、Cという3筆の土地を月額10万円の借賃で借りるとしても、登記は、A、B、Cそれぞれの土地毎に賃料を登記しなければならない。もちろん、A、B、Cはそれぞれ面積が異なるし、方角や道路との位置関係も全く異なる。賃貸借契約の当事者は、あくまでも全 […]
  • 【動画】推認による中間の相続登記はどこまで認められるか?【動画】推認による中間の相続登記はどこまで認められるか? 推認による中間の相続登記はどこまで認められるか? 法務局に照会し、回答までに1ヶ月かかった難問! […]
  • 自筆証書遺言の加除・訂正の方法を教えてください自筆証書遺言の加除・訂正の方法を教えてください 自筆証書遺言の加除・訂正の方法を教えてください  自筆証書遺言中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更 […]
  • お一人様の老後 どうすれば安心?お一人様の老後 どうすれば安心? お一人様の老後 どうすれば安心? https://youtu.be/cqbSw0ZsfuI
  • 自筆証書遺言の誤記を訂正したいのですが、簡易な方法で訂正するにはどうすればいいですか自筆証書遺言の誤記を訂正したいのですが、簡易な方法で訂正するにはどうすればいいですか 自筆証書遺言の誤記を訂正したいのですが、簡易な方法で訂正するにはどうすればいいですか  自筆証書遺言中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更 […]
  • 佐久間現地訪問・・・生誕地へ佐久間現地訪問・・・生誕地へ  実は、私の生まれは佐久間なんです。戸籍には出生地が記載されていますが、現在戸籍では市町村等の行政区画が記載されているだけです。  しかし、平成改製原戸籍には、出生した地番まで出ていることがありますので皆さんも、是非一度、平成改製原戸籍を見ておいてください。  これ、私の平成改製原戸籍です。出生地は、磐田郡佐久間町大井2 […]
  • 【動画】今年の司法書士認定考査を振り返ってみた!【動画】今年の司法書士認定考査を振り返ってみた!   6月2日.司法書士認定考査が行われました。問題の内容を無責任に振り返ってみました。果たして博士は合格するのか? https://www.youtube.com/watch?v=WrJoz9YxCjM […]
  • 金銭以外の特別寄与料請求の可否金銭以外の特別寄与料請求の可否 【金銭以外の特別寄与料請求の可否】 特別寄与料として、相続財産である不動産の給付を請求することはできますか。 回答 できません。特別寄与料の請求は、特別寄与者の寄与に応じた額についての金銭の支払請求のみが認められています。 […]
  • 【動画】強制疾走? いや、強制執行がやりやすく変わる! 養育費が払われない方に朗報!【動画】強制疾走? いや、強制執行がやりやすく変わる! 養育費が払われない方に朗報! 【動画】強制疾走? いや、強制執行がやりやすく変わる! 養育費が払われない方に朗報! https://youtu.be/U5sWz4GT5zw
  • 譲渡制限を加重することになるか譲渡制限を加重することになるか 株式の譲渡制限の規定を次のように変更する場合、譲渡制限を加重することになるでしょうか。 「当会社の株式を譲渡するには取締役会の承認を要する」→「当会社の株式を譲渡により取得するには株主総会の承認を要する」 「当会社の株式を譲渡するには取締役会の承認を要する」→「当会社の株式を譲渡により取得するには会社の承認を要する」 「当会社の株式を譲渡するには取締役会の承認を要する」 […]

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)