「民法918条2項にもとづく相続財産管理人の活用(実践編)」が「市民と法」に掲載されました。

投稿者: | 2018年10月1日

「民法918条2項にもとづく相続財産管理人の活用(実践編)」が「市民と法」に掲載されました。

 「市民と法」という法律雑誌(民事法研究会)がありますが、このたび、古橋清二の論考「民法918条2項にもとづく相続財産管理人の活用(実践編)」が掲載されました。

 おそらく、今後、民法918条2項にもとづく相続財産管理人を活用する場面が増えると思いますので、興味のある方はご一読ください。

 はしがきだけ掲載しますので、あとは、「市民と法」をご覧ください。

1.本稿の目的

 本誌108号から始まった「遺産承継業務・静岡モデル」の短期集中連載では静岡県司法書士会あかし運営委員会[1]の研究成果を紹介しているが、静岡モデルの根底には、司法書士が行う遺産承継業務は一般受託業務[2]であって、司法書士法施行規則31条(以下、「規則31条」という。)の「他人の財産の管理若しくは処分を行う業務」には該当しないとの考え方が流れている。そして、そのような立場では司法書士は遺産分割に実質的に関わることはできないと考えている。

一方で、相続においては、何らかの事情で相続人の一部または全部が相続に関わろうとせず、またはそれが期待できないために、相続財産が散逸したり、相続人、第三者又は利害関係人の利益が損なわれる事態が生じる場合があるが、このような場合、司法書士が他人の財産の管理若しくは処分を行う業務を行うことが許容される地位に就くことができれば、相続財産の管理処分を適切に行い、又は、円滑に相続人に財産を引き継ぐ役割を担うことが可能となる(規則31条1号)。

前号では、上記のような場面において、民法918条2項の規定にもとづいて選任される相続財産管理人(以下、「918条財産管理人」という。)の活用と権能等について理論面からの考察を行った。

本号では、筆者が918条財産管理人に選任された四つの例について紹介するものであるが、いずれも利害関係人が保管を余儀なくされている相続財産を相続人に引き渡すことを目的として申し立てられたものである。このうち2例は筆者自身が申立書の作成を受任したものであり、内1例は筆者自身が申立人となった事例である。

[1] 静岡県司法書士会では、平成28年7月の法定相続情報証明に関する報道から間もなく、新制度の稼働を契機に相続手続きの初期段階から司法書士が関与することにより「『相続登記の専門家』から『相続の専門家』へ」を合言葉に掲げる研究団体を発足し、これを母体として平成29年度より「あかし運営委員会」が新設されている。「あかし」の由来は、法定相続情報証明の「証」より。なお、同委員会の活動記録はウェブサイト(http://akashi.wp-x.jp/)を参照されたい。

[2] 「一般受託業務」とは、附帯業務のうち司法書士法施行規則31条で規定されていない業務という趣旨である。詳しくは、拙稿本誌108号「遺産承継業務は規則31条業務なのか~とりわけ遺産分割への関わり方に対する問題提起~」参照

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