「最近の若い奴らときたら・・・」? いや、そうではないかもしれない
9月3日の平成30年度簡裁訴訟代理等能力認定考査の認定者の発表に関し、「認定の合格率は43.1パーセントということであるが、私が受験した平成15年(第1回考査)は、確か70パーセント前後であったことを考えると、随分合格率が低下したものだ。最近では合格基準点が公表されているので、政策的に合格率を下げているのではないと考えられる。そうすると、受験者の質(能力)が下がっているということか?」と書いた。
ところが、静岡に限って言えば、平成29年度司法書士試験の合格者のほとんどが認定されていた。合格率は90パーセントを超えている。これはどういうことか。
昨年の司法書士試験合格者は、全国で629名だった。試験合格以外の、いわゆる特任がどのくらいいるのかは不明である。一方、平成30年簡裁訴訟代理等能力認定考査の受験者は874名、合格者は377名。試験合格者はそのまま翌年の考査を受験することが多いので、この数字だけみると、やはり、全体としては試験合格者の質が下がっていると評価されても仕方ないかもしれない。だとすると、静岡の考査合格率がずば抜けて高いのであって、全国的には合格率は低調なのか? もしそうであると、前年度試験合格者に対し、特別研修に加えて何らかの対策を立てる必要はないだろうか。
ところで、考査合格率を40パーセント台に下げてしまった要因は別のところにもないだろうか。仮に、一定の数の考査不合格者が毎年のように考査を受け続けていたらどうなるであろうか。その数は毎年増え続け、全体の合格率を押し下げる原因のひとつになっている筈だ。したがって、前年度試験合格者だけを取り出して考査合格率を計算し、対策が必要なのかどうか判断する必要性もありそうだ
投稿者プロフィール

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昭和33年10月生 てんびん座 血液型 A
浜松西部中、浜松西高、中央大学出身
昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる
平成2年 古橋清二司法書士事務所開設
平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立
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