仮換地の従前地に登記する賃借権登記の借賃の記載方法

投稿者: | 2018年9月24日

仮換地の従前地に登記する賃借権登記の借賃の記載方法

 賃借権登記の登記事項である借賃は、土地毎に登記するものとされている。例えば、A、B、Cという3筆の土地を月額10万円の借賃で借りるとしても、登記は、A、B、Cそれぞれの土地毎に賃料を登記しなければならない。もちろん、A、B、Cはそれぞれ面積が異なるし、方角や道路との位置関係も全く異なる。賃貸借契約の当事者は、あくまでも全体を月10万円で貸借するという意思であるにもかかわらず、登記は土地毎に賃料を登記せよ、というのである。このように取引実態と登記事項には乖離がある。

 先日、このことについて登記官と話をしたところ、登記官は、「登記は土地毎にすることになっているのに、契約は全体で賃料を定めていることが多く、契約の仕方がおかしい」と言っていた。しかし、それは逆であって、土地毎に登記せよという方がおかしいと思う。
 ちなみに、土地毎に賃料を登記すると言っても、金額で登記する場合と平方メートル当たり等の単価で登記する方法がある。

 さて、今回、区画整理中の土地(仮に、従前地は2筆100㎡、仮換地指定地は2筆80㎡とする)について、従前地に賃借権の登記をすることになった。このような場合、多くは、実際に賃借する場所は仮換地指定地であって従前地ではない。しかし、仮換地指定地の登記簿はないから従前地の登記簿に登記するしかない。将来、換地処分がされたときに、乙区がそのまま移行され、ようやく登記簿と実態とが整合することになる。
 今回は、賃料は全体で月額30万円であるが、従前地の筆毎に賃料を登記しなければならない。ますます実態と乖離していくのである。

 さて、問題は筆毎の賃料をどのように登記するかだ。賃料30万円を従前の面積100㎡で除して、平方メートル当たり月額3000円で登記する方法が考えられる。しかし、これでは、換地処分がされたときには、賃料30万円を換地後の面積80㎡で除した平方メートル当たり月額3750円と齟齬が生じることとなる。逆に、従前地に平方メートル当たり月額3750円で登記すると、従前地ベースだと賃料が37万5000円となってしまい、賃貸借契約書に記載された賃料と合わなくなってしまう。

 そこで、賃貸借契約書には、賃貸借物件の表示として従前地と仮換地指定地を併記し、賃料は、従前地についての月額30万円という記載とともに、従前地の面積で除した賃料単価と仮換地指定地の面積で除した金額を、「賃料 1平方メートル1月3000円(換地後の土地について1平方メートル1月3750円)」と記載してもらい、同様の文言で登記申請をすることにした。

 この件は、登記官と協議済みである。

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