「静岡ビジネスレポート」に少額債権回収についてのQ&Aが掲載されました

businessreport201510静岡の情報誌、「静岡ビジネスレポート」に少額債権回収についてのQ&Aが掲載されました。

ご質問
当社は家庭用ガスの販売をしていますが、数千円から数万円の小口の未収金が多数発生しており、回収に苦労しています。中には、ガス料金を払わないまま転居してしまう方もいらっしゃいます。何かよい方法はないでしょうか?
2015/10/14 [10月05日号掲載]

回答
認定を受けた司法書士であれば貴社に代わってお客様と交渉したり、裁判手続きを代理したりすることが可能です。ガス料金回収のためであれば転居先を調査することも可能です。どうしても支払っていただけない場合には、少額債権執行の手続きを利用して代理人として強制執行することも可能です。

■勘定合って、銭足らず
 「勘定合って、銭足らず」ということわざがあります。これは、損益上は黒字であっても、キャッシュフローが赤字では経営が成り立たないという意味です。売り上げの回収時期と仕入れの支払時期のずれにより資金繰りに苦労することもあるようですが、売り上げが順調であっても代金を回収できないことにより「銭足らず」の状態になってしまうことも少なくないようです。
 お尋ねのように少額な未収債権を多数抱えている場合には、「敷居が高い」というイメージのある弁護士や司法書士に依頼しづらいために未収債権が増え続け、どこかの時点で損金処理せざるを得ないケースが多いようです。
 しかし、少額な未収債権であっても司法書士に回収を依頼することができますので、まずは司法書士に相談してみてください。

■どんな司法書士に相談すればよいか
 司法書士は、主に、登記手続きの代理人になるほか、裁判所に提出する書類の作成を業務としています。また、一定の能力があると法務大臣が認定した司法書士(「認定司法書士」と言われています)は、一件あたり140万円以内の売掛金について相手方と直接交渉したり、裁判の代理人になったりすることができます。ちなみに、司法書士は全国で約2万2000名存在していますが、その72%にあたる約1万6000名が認定司法書士です。

■債権回収にかかる費用は
「裁判にはお金がかかる」などと言われます。そのようなイメージから、お尋ねのような少額な未収債権の回収を専門家に依頼するのは躊躇するという気持ちは理解できます。しかしながら、筆者の経験上、代理人である司法書士の名前で請求書を送るだけでも大きな効果があります。この場合の実費は、郵送料だけです。
 また、数万円の訴訟を提起する場合に裁判所に納める手数料は、わずか1000円です。
 「裁判にお金がかかる」主な原因は、実は、司法書士等に支払う報酬です。しかし、お尋ねのように、同種の債権であり、ある程度件数がまとまるのであれば、事務処理の工夫により低コストで受任することも検討の余地がありそうです。報酬は依頼者と司法書士との契約で定めることになりますので、一度、司法書士に報酬の交渉をしてみてはいかがでしょうか。

■顧客の転居先が不明な場合
 ガス料金の滞納の原因のひとつに、転居先がわからないという事情もあるかと思いますが、認定司法書士であれば、債権回収を前提として住民票の異動の調査をすることも可能です。ただし、住民票を異動せずに転居してしまった場合は、調査が困難となります。

■少額訴訟・少額債権執行で効率的な回収を
平成10年に導入された少額訴訟は、原則として一日の審理で訴訟を終結させる制度ですが、あまり利用されているとは言えない状況にあります。しかし、認定司法書士が代理人として少額訴訟手続きの判決を得た場合には、認定司法書士が代理人となって強制執行をすることも可能です。

■平素からの管理が肝要
今回は、未収債権の回収に司法書士が役立つことを説明してきましたが、できれば、未収債権の発生を防ぎたいものです。そのためには、料金の滞納には敏感に反応し、滞納額が増える前にお客様と交渉するのがよろしいかと思います。また、司法書士への依頼も早めに行うことをお奨めいたします。

回答者
司法書士法人 中央合同事務所
浜松市中区中央二丁目12-5
司法書士 古橋清二

 

投稿者プロフィール

古橋 清二
古橋 清二
昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A
浜松西部中、浜松西高、中央大学出身
昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる
平成2年 古橋清二司法書士事務所開設
平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立

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古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立

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