劣後的破産債権とは、次の破産債権をいう。

① 破産手続開始後の利息の請求権(法99Ⅰ①、法97①)

② 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権(法99Ⅰ①、法97②)

③ 破産手続開始後の延滞税、利子税又は延滞金の請求権(法99Ⅰ①、法97③)

④ 国税徴収法又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権であって、破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの(法99Ⅰ①、法97④)

⑤ 国税通則法2条4号 に規定する過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税、又は地方税法1条1項14号 に規定する過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金の各請求権(法99Ⅰ①、法97⑤)

⑥ 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(法99Ⅰ①、法97⑥)

⑦ 破産手続参加の費用の請求権(法99Ⅰ①、法97⑦)

⑧ 破産手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に一年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する法定利息の額に相当する部分(法99Ⅰ②)

⑨ 破産手続開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもののうち、その債権額と破産手続開始の時における評価額との差額に相当する部分(法99Ⅰ③) 

⑩ 金額及び存続期間が確定している定期金債権のうち、各定期金につき⑧の規定に準じて算定される額の合計額(その額を各定期金の合計額から控除した額が法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その超過額を加算した額)に相当する部分(法99Ⅰ④)

 約定劣後破産債権とは、破産債権者と破産者との間において、破産手続開始前に、当該債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権をいう(法99Ⅱ)。

 

「司法書士のための破産の実務と論点」(古橋清二著 2014年4月民事法研究会発行)より

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立