遺産分割の話し合いをしていたところ、兄が「自分が亡父の商売を手伝ったことによって財産を残すことができたのだから多くもらって当然だ」と言い出しました。兄の主張は認められますか

被相続人に対し、財産の増加・維持に特別の寄与や貢献をした人がいる場合に、その人の相続分にその寄与、貢献に相当する分(寄与分)を上乗せすることになります。
寄与分の算定は、相続人の間で協議して決めますが、相続人の間で寄与分が決まらない時などは、寄与した人が家庭裁判所に申立てをして定めてもらうことになります。

寄与分が認められるケースは次の3つです。
1. 被相続人の事業に大きく貢献してその財産を増加させた
2. 被相続人の財産の維持に努めてきた
3. 被相続人介護援助を長年続けた

お兄さまが「自分が亡父の商売を手伝った」という主張をされているとのことですが、それが寄与分を認めるべきものなのか、また、認めるとしてもどの程度の寄与分を認めるべきか、よく話し合いをする必要があると思われます。

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立