取締役会を書面決議で行った場合には、次の事項を内容とする取締役会議事録を作成する必要があります(会社法施行規則101条4項)。
1.会社法第370条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項
イ 取締役会の決議があったものとみなされた事項の内容
ロ イの事項の提案をした取締役の氏名
ハ 取締役会の決議があったものとみなされた日
ニ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
2.会社法第372条第1項(同条第3項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により取締役会への報告を要しないものとされた場合 次に掲げる事項
イ 取締役会への報告を要しないものとされた事項の内容
ロ 取締役会への報告を要しないものとされた日
ハ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
一方、代表取締役の就任による変更の登記の申請書には、取締役会の決議によって代表取締役を選定した場合には、出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならないとされています。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りではありません(商業登記規則61条6項)。
このため、新任代表取締役の選定を書面決議で行った場合の取締役会議事録の作成方法及び登記の添付書類は次の点に注意して作成する必要があります。
1.旧代表取締役が取締役も退任した場合
取締役会議事録に取締役全員が記名押印(実印)するか、各取締役の書面決議の同意書に記名押印(実印)し、全員の市町村長の作成した印鑑証明書を準備する。
2.旧代表取締役が取締役として在任している場合
前記1の方法による。ただし、次の方法でもよい。
取締役会議事録に、少なくとも、議事録作成取締役及び旧代表取締役が記名押印し、旧代表取締役の押印は登記所に届出ていた印鑑を押印する。又は、各取締役の書面決議の同意書に記名押印(旧代表取締役の押印は登記所に届出ていた印鑑を押印)する。
なお、いずれの場合も、新任代表取締役の就任承諾を証する書面には新任代表取締役が記名押印(実印)し、市町村長の作成した印鑑証明書を準備する必要があります(商業登記規則61条4項)。
株式会社の役員の就任登記には本人確認書類が必要ですが、再任の場合は不要と聞きました。このたび、当社の取締役が退任し、同時に監査役に就任するのですが、これは「再任」にあたりますか?