連帯債務者の一人による相殺の効力と、他の連帯債務者による相殺権の援用についてはどのような改正がされましたか。

 連帯債務は一人の債務者の無資力の危険を分散するという人的担保の機能を有しているため、絶対的効力事由が多ければ多いほど連帯債務の担保的効力が弱まる方向に傾斜します。そのため、絶対的効力事由を多数認めることは、通常の債権者 …
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連帯債務者の一人について生じた事由は、原則として、他の連帯債務者に対してその効力を生じないとされ、「履行の請求」これまでの絶対的効力から原則的な相対的効力に改正されましたが、実務的にどのようなことに注意すればいいでしょうか。

 民法改正前は、連帯債務者の一人について履行の請求をすれば連帯債務者全員について履行遅滞に陥らせたり、連帯債務者全員について時効中断の効果が生じていましたが、改正民法により履行の請求は相対的効力とされたため、連帯債務者の …
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連帯債務者の一人について時効が完成した際の効果は相対的効力に変更されましたが、その法的効果について、具体例で説明してください。

 ご質問のとおり、連帯債務者の一人について時効が完成した場合には、改正前は絶対的効力を有するとされていましたが、民法改正により相対的効果に変更されました(民法441条)。  たとえば、甲、乙及び丙が300万円の連帯債務を …
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民法改正により、振り込みにより支払った場合の弁済の時期が明確にされたと聞きました。契約実務上、注意すべき点はありますか。

 改正民法477条では、「債権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによってする弁済は、債権者がその預金又は貯金に係る債権の債務者に対してその払込みに係る金額の払戻しを請求する権利を取得した時に、その効力を生ずる」と規定さ …
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改正民法により、履行不能は、「契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして」判断されることになったようですが、契約実務上、注意すべきことはありますか。

 民法412条の2は、「債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない。」と規定していおり、部会資料68A2頁では、「その債務の履行 …
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改正民法522条において、「 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する」と定められましたが、実務的に気を付けることはありますか。

 契約の成立には申込みと承諾が必要であるということは、これまでも明文規定はなかったものの当然の法理として考えられてきました。ところが、実際には、なされた意思表示が契約の「申込み」なのか、単なる契約の申し込みの「勧誘」なの …
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