【動画】改正相続法を具体的事例で検討してみよう

【動画】静岡県司法書士会研修会 「改正相続法を具体的事例で検討してみよう」

 7月27日、台風で開催が危ぶまれましたが、予定どおり、静岡県司法書士会第1回会員研修会「さらにパワーアップ 相続実務必携 「相続登記の専門家」から「相続の専門家」になる」が開催されました。

 参加申込みは、なんと252名! 昨年開催された研修会の最高が約140名とのこと。とんでもない記録的な参加申込みとなり、同時配信の西部会場、東部会場は、急遽広い会議室に会場を変更しました。

 研修内容は、まず最初に、古橋清二(司法書士法人中央合同事務所)から、「改正相続法の施行時期と適用場面」というテーマで、30分くらいお話をさせていただきました。その中で、相続法改正の概要についても触れ、改正内容のおさらいもしていきました。

 そして、次からが研修のメインになりますが、改正相続法を具体的事例に落とし込んで検討してみました。この具体的事例の解説については、中里功さん(司法書士法人浜松総合事務所)、神谷忠勝さん(司法書士法人中央合同事務所)、内納隆治さん(司法書士法人中央合同事務所)に登壇をお願いしました。

 この投稿は、「具体例で検討してみよう」のみ掲載しています。「改正相続法の施行時期と適用場面」はこちらの投稿をごらんください

ここでは、各設問と解説の動画を掲載しておきますので、その前提となる事例については資料をダウンロードしてご確認ください。

研修会資料はこちらからダウンロードできます!

 

設問1
Pの死亡により、Pの入院費として10万円、お布施等お寺への支払いとして50万円の支払いが必要である。また、葬儀はAが喪主となって執り行うこととなったが、Pの実家のしきたりにしたがうと、香典で入院費、お寺への支払いができたとしても、Aの資力では120万円の葬儀費用の支払いをすることができない。
Aとしては、Pの実家のしきたりにしたがって葬儀を行いたいという強い希望があり、Bも、Aの気持ちを尊重したいと考えているが、葬儀会社からは、葬儀代は葬儀から1ヶ月以内に支払って欲しいと言われている。
Aは、葬儀代調達のため、改正法の規定を活用できるか?

 

設問2
Aは、909条の2にもとづいて、中央銀行に対する預貯金債権の払戻しを請求することが考えられるが、BはAの保佐人としてAを代理して払戻請求をすることができるか。

 

設問3
(1)仮に、保佐人Bが「預貯金に関する金融機関等との一切の取引」、「遺産分割又は単独相続に関する諸手続」ともに代理権がなかった場合、Aは、単独で909条の2にもとづく預貯金債権の一部払戻請求権を行使できるか?
(2)保佐人Bの同意を要するとすれば、その根拠条文は何か?
(3)この場合、Bが同意することは利益相反行為に該当するか?

 

設問4
Cの成年後見人として司法書士Xが選任された。
(1)保佐人Bが、909条の2にもとづきAに代理して中央銀行から150万円を引き出した場合、司法書士XはBに対し何らかの請求ができるか?
(2)Pの口座が凍結されていないことを奇貨として、Bが単独でPの預金150円を引き出した場合はどうか?

 

設問5
XがPの相続財産を調査したところ、Pの生前、Pの中央銀行の預金から100万円が引き出されていた。そこで、当時その預金を事実上管理していたBに確認したところ、Bが、Pの葬儀のために必要と考え、Pの了解なく、Pのキャッシュカードで中央銀行から100万円を引き出していたことがわかった。
ところが、Bは、その100万円を子供の医大の授業料として費消してしまっていた。この場合、Xとしては、Cの成年後見人としてどのようにすべきか。仮に、裁判所に何らかの請求をするとしたら、どの裁判所にどのような内容の申立てをすべきか。

 

設問6
Pは生前、全ての財産をCに相続させる、遺言執行者に司法書士甲を指定する旨の遺言を残していた。この場合、
1 甲はP名義の不動産をCに移転する登記を遺言執行者として申請できるか。
2 C名義とする相続を原因とする所有権移転登記をする前に、他の相続人Bの債権者であるSが法定相続分による移転登記をしたうえで、Bの持分を差押えた。Cは自己の権利をSに対抗できるか。
3 Cが対抗要件を備える前に、他の相続人Bの債権者であるSが、中央銀行に対する預金債権のうち、Bの法定相続分について差押えをした。Cは自己の権利をSに対抗できるか。また、対抗できないならば、CがSに対して対抗するためにはどうしたら良いか。
4 Bは、909条の2にもとづいて預貯金債権の一部払戻し請求権を行使できるか。

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます

  • 【動画】まるわかり! 配偶者居住権 第3講 配偶者居住権に関する実務上の検討【動画】まるわかり! 配偶者居住権 第3講 配偶者居住権に関する実務上の検討 【動画】まるわかり! 配偶者居住権 第3講 配偶者居住権に関する実務上の検討  この動画は、2020年1月22日に開催された講習会で行った当事務所古橋清二の講義の一部です。講義の概要は次のとおりです。 3 配偶者居住権に関する実務上の検討 […]
  • 事務所を移転しました事務所を移転しました  司法書士法人中央合同事務所は、令和7年1月29日、主たる事務所を 静岡県浜松市中央区曳馬五丁目11番5号 に移転しました。                                                                                           〇遠州鉄道曳馬駅 徒歩6分                 […]
  • 「静岡ビジネスレポート」に少額債権回収についてのQ&Aが掲載されました「静岡ビジネスレポート」に少額債権回収についてのQ&Aが掲載されました 静岡の情報誌、「静岡ビジネスレポート」に少額債権回収についてのQ&Aが掲載されました。 ご質問 当社は家庭用ガスの販売をしていますが、数千円から数万円の小口の未収金が多数発生しており、回収に苦労しています。中には、ガス料金を払わないまま転居してしまう方もいらっしゃいます。何かよい方法はないでしょうか? 2015/10/14 [10月05日号掲載] 回答 認定 […]
  • 感染症による移動自粛制限で、一部の役員は海外からビデオ会議システムで株主総会と取締役会に参加しました。しかし、交通事情が悪く、帰国したり、郵送して議事録に署名してもらうことができません。この場合、登記申請に添付する議事録はどのようにすればいいでしょうか。感染症による移動自粛制限で、一部の役員は海外からビデオ会議システムで株主総会と取締役会に参加しました。しかし、交通事情が悪く、帰国したり、郵送して議事録に署名してもらうことができません。この場合、登記申請に添付する議事録はどのようにすればいいでしょうか。  この問題に関する登記先例としては、次のようなものがあります。  株主総会及び取締役会の議事録には、原則として出席取締役全員の署名を要するが、総会若しくは取締役会の終了後やむを得ない事由により署名不能の場合は、その旨を証明させれば、その他の出席取締役の署名で足り、また、取締役会については出席取締役の過半数の署名があればよい。 (昭28.10.2、民事甲第1,813号民事局 […]
  • 【動画】7月改正! 新しい相続手続きの流れはこうなる!【動画】7月改正! 新しい相続手続きの流れはこうなる! 【動画】7月改正! 新しい相続手続きの流れはこうなる! 相続に関する法律が大きく変わりました。相続が発生した場合、どういう順番で何をしたらいいの? 法定相続情報証明って何? 相続税はかかるの? 遺産分割協議って何? いつまでに名義変更しなければならないの? ・・・・・・ そんな疑問にお答えします。 https://youtu.be/7jRh7mxusUo […]
  • 【動画】相続実務必携を出版しました!【動画】相続実務必携を出版しました! https://www.youtube.com/watch?v=a51CS7iUzuU&list=PLCwThu8Lcj0qEX-g0BUIgyg3_Ui1qyJ0W&index=2&t=0s 民事法研究会より「相続実務必携」が発刊されました! 静岡県司法書士会あかし運営委員会編の本書は、当事務所の古橋清二、神谷忠勝も執筆に加わっています。 […]
  • 【動画】破産手続の諸問題 申立前に、信販会社から軽自動車の引き揚げを要求された場合【動画】破産手続の諸問題 申立前に、信販会社から軽自動車の引き揚げを要求された場合 【動画】破産手続の諸問題 申立前に、信販会社から軽自動車の引き揚げを要求された場合  別除権は、破産手続によらないでこれを行使することができるが(法65条)、行使の方法は通常の実行方法による。  ところが、破産手続開始後は、別除権の目的物が破産財団に属してしまうため、破産管財人を相手方として別除権を主張するためには別除権について対抗要件を具備している必要があると考えら […]
  • たかが特別代理人選任申立て、されど特別代理人選任申立てたかが特別代理人選任申立て、されど特別代理人選任申立て   たかが特別代理人選任申立て、されど特別代理人選任申立て 父が亡くなり、相続人が母と未成年の子供のような場合、母と子供が遺産分割協議をするためには、子供の権利保護のために裁判所で特別代理人(親族等が選任されることが多い)を選任する必要があります。これは、母が自らの相続人の立場と、子供の親権者としての立場で分割協議をすることは、子供の利益を害するおそれがあるから […]
  • ちょっと失礼な話ちょっと失礼な話 今日、東京の知らない司法書士から電話があり、事務員さんが用件を聞いた。個人民事再生で、共済からの借り入れについて、退職金等が実質的な担保となっている件につき、別除権扱いが認められたとのこと。 このこと自体は、僕が「個人民事再生の実務」(民事法研究会)に書いておいたので、きっとそれを見て書類を書き、認められたということだろう。 そして、電話をしてきた趣旨は、その別除権につい […]
  • 早くも1年たちました早くも1年たちました  4月19日、静岡県司法書士会浜松支部の支部総会が開かれました。新入会員の1人として神谷忠勝君が紹介されましたが、昨年5月に司法書士登録していたため、神谷君が新人であるという感覚はなく、あらためて「そうか、新人だったのか」と思いました。   内容の濃い1年だったと思いますが、これからもどんどん濃くなりますから、どんどん吸収してください。 […]
  • 【動画】任意的当事者変更は同意したが、本来なら違うアプローチがあったのでは? 専門職としての注意義務と責任とは!【動画】任意的当事者変更は同意したが、本来なら違うアプローチがあったのでは? 専門職としての注意義務と責任とは! 任意的当事者変更は同意したが、本来なら違うアプローチがあったのでは? 専門職としての注意義務と責任とは!     https://youtu.be/w-NIt016I1w
  • 株式会社設立登記申請と電子定款認証の同時申請をやってみた株式会社設立登記申請と電子定款認証の同時申請をやってみた https://youtu.be/hEIWVSBdCS8
  • 【動画】危急時遺言のポイント【動画】危急時遺言のポイント 【動画】危急時遺言のポイント https://youtu.be/NLybwQZnkRk
  • 古橋清二が亡くなって3年が経ちました古橋清二が亡くなって3年が経ちました    古橋清二は、令和4年12月18日、永眠いたしました。64歳でした。令和4年2月に膵臓癌の告知を受けてから、再び皆様と笑顔で会える日を目指して、闘ってまいりましたが、叶いませんでした。とても残念です。  司法書士法人中央合同事務所の設立者でもあり、皆様に愛された古橋清二は多くの人に想いを残しております。当事務所は古橋清二の司法書士法人に懸けた想いを受け継いでいく所存で […]
  • 給与所得者等再生のための最低生活費算出の手引給与所得者等再生のための最低生活費算出の手引  給与所得者等再生を申し立てる場合、政令にしたがって再生生活費を算出しなければならない。実務では、コンピュータソフトを使って計算することが多いが、一度は、その原理を知っておいて欲しい。  本書は、最低生活費を求めるための唯一の手引書であり、実は、隠れたベストセラーである。  編者の「個人債務者再生制度研究会」の実態を知る人はほとんどいないという、不思議な書籍。なぜなら、「 […]
  • 令和4年3月まで延長! 少額裁判支援制度のご案内令和4年3月まで延長! 少額裁判支援制度のご案内 着手金5000円で裁判手続 少額裁判支援制度のご案内 ~静岡県司法書士会から着手金5万円の助成を受け、裁判を利用しやすくする制度です~ https://youtu.be/pLZBzKyR8Jk […]
  • 【動画】初めてです。危急時遺言の証人になりました!【動画】初めてです。危急時遺言の証人になりました! 【動画】初めてです。危急時遺言の証人になりました! https://youtu.be/IchutLEiA9Q
  • 相続放棄と所有権の対抗問題相続放棄と所有権の対抗問題 【相続放棄と所有権の対抗問題】  父Aが死亡し、相続人は子供の私Xと弟Yの2名です。Yは裁判所に相続放棄の申述をし、受理されましたが、甲土地について、まだAからXへの移転登記はしていませんでした。  ところが、Yには借金があり、債権者であるKが、甲土地につきXとYに代位して、AからXY名義への相続を原因とする移転登記をしたうえで、Yの持分を差押えてしまいました。  XY […]
  • 「裁判官の裁量には勝てぬ」が不思議な事が起こるものだ「裁判官の裁量には勝てぬ」が不思議な事が起こるものだ  被告らの中に判断能力が不十分と思われる方がいて、その親族からの報告書をもとに民事訴訟法上の特別代理人を申し立てたところ、裁判所から「医師の診断書を提出せよ」という指示がなされた。こちらは原告の代理人であるが、そこまで被告の親族に協力してもらうことはできないので、当該被告の訴訟能力について調査嘱託の申立てをした、というところまでブログに書いた。  実は、当該被告が入所してい […]
  • 【動画】株主総会議事録 誰がどんなハンコを押せばいいの?【動画】株主総会議事録 誰がどんなハンコを押せばいいの? 【動画】株主総会議事録 誰がどんなハンコを押せばいいの? https://youtu.be/xwdgjmq1P90

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)