ちょっと失礼な話

今日、東京の知らない司法書士から電話があり、事務員さんが用件を聞いた。個人民事再生で、共済からの借り入れについて、退職金等が実質的な担保となっている件につき、別除権扱いが認められたとのこと。

このこと自体は、僕が「個人民事再生の実務」(民事法研究会)に書いておいたので、きっとそれを見て書類を書き、認められたということだろう。

そして、電話をしてきた趣旨は、その別除権について「再生計画案」の書き方を教えて欲しい」というものだった。

僕は打ち合わせから帰ってこの話を聞いたが、その司法書士は「電話を欲しい」と言っていたらしい。

ちょっと待ってよ、僕はこの司法書士を知らないし、何で僕が電話しなければならないの? それ、ちょっと違うんじゃない?

再生計画案をどう書くか、それは、訴状なら「請求の趣旨」をどう書くか、というようなもの。そういう大事な事を聞きたいのなら、そっちから電話してくるのが筋じゃあないの? しかも、そういう時は、「こう書いてみたんですが、どんなものでしょう?」というのが筋というものでしょ?

僕は、この司法書士と話したくないので、その部分の再生計画案の雛形を事務員さんに渡し、「これをファックスしておいて」と託した。僕は出し惜しみはしない。また、こういう人に対してグズグズ言うつもりもない。要は話したくないのだ。

事務員さんがファックスしていたようであるが、案の定、お礼の電話もない。

投稿者プロフィール

古橋 清二
古橋 清二
昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A
浜松西部中、浜松西高、中央大学出身
昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる
平成2年 古橋清二司法書士事務所開設
平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立

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古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立

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