Ⅵ 復権

 破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する(法255Ⅰ)。

① 免責許可の決定が確定したとき

② 同意破産廃止(法218Ⅰ)の決定が確定したとき

③ 再生計画認可の決定が確定したとき

④ 破産者が、破産手続開始の決定後、詐欺破産罪(法265)の有罪の確定判決を受けることなく10年を経過したとき

⑤ 法256条1項の復権の決定があったとき

また、破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならず(法256Ⅰ)、裁判所は、復権の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。

破産債権者は、この公告が効力を生じた日から起算して三月以内に、裁判所に対し、復権の申し立てに対して意見を述べることができるが(法256Ⅲ)、意見を述べるときは意見の理由をも述べなければならない(規則77Ⅱ、71Ⅱ前段)、なお、これらの申述は書面でしなければならない(規則77Ⅰ)。

裁判所は、復権の申立てについての裁判をしたときは、その裁判書を破産者に送達するとともに、その主文を記載した書面を破産債権者に送達しなければならず、後者の送達については代用公告(法10Ⅲ本文)をすることができるが、前者の裁判書の送達については、官報公告で代用することはできないものとされている(法256Ⅳ)。

復権の申し立てについての裁判(却下、許可等)に対しては、即時抗告をすることができ(法256Ⅴ)、即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない(法256Ⅵ前段)。この場合の送達は官報公告をもって代用することはできないものとされている(法256Ⅵ後段)。

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立