3 同意破産廃止

裁判所は、次に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない(同意破産廃止)。

① 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき(法218Ⅰ①)。

② ①の同意をしない破産債権者がある場合において、当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。ただし、破産財団から当該担保を供した場合には、破産財団から当該担保を供したことについて、他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限る(法218Ⅰ②)。

なお、裁判所は、まだ確定していない破産債権を有する破産債権者について前記①及び②ただし書の同意を得ることを要しない旨の決定をすることができる(法218Ⅱ)。

裁判所は、同意破産廃止の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならず(法218Ⅲ)、届出をした破産債権者は、公告が効力を生じた日から起算して二週間以内に、裁判所に対し、同意破産廃止の申立てについて意見を述べることができる(法218Ⅳ)。

 裁判所は、同意破産廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない(法218Ⅴ、法217Ⅳ)。

同意破産廃止の決定及び同意破産廃止の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる(法218Ⅴ、法217Ⅵ)。同意破産廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない(法218Ⅴ、法217Ⅷ)。

 

「司法書士のための破産の実務と論点」(古橋清二著 2014年4月民事法研究会発行)より

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立