(2)破産手続開始の決定と同時に定めるべき事項等
裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、一人又は数人の破産管財人を選任し、かつ、破産債権の届出をすべき期間、破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会の期日、破産債権の調査をするための期間及び期日を定めなければならない(法31Ⅰ)。
各期間及び期日は次のように定められている(規則20Ⅰ)
① 破産債権の届出をすべき期間 破産手続開始の決定の日から2週間以上4月以下(知れている破産債権者で日本国内に住所、居所、営業所又は事務所がないものがある場合には、4週間以上4月以下)
② 財産状況報告集会の期日 破産手続開始の決定の日から3月以内の日
③ 破産債権の調査をするための期間 その期間の初日と①の期間の末日との間には1週間以上2月以下の期間を置き、1週間以上3週間以下
④ 破産債権の調査をするための期日 ①の期間の末日から1週間以上2月以内の日
ただし、破産財団(破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するもの。法2⑭)をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがあると認めるときは、破産債権の届出をすべき期間並びに破産債権の調査をするための期間及び期日を定めないことができる(法31Ⅱ)。 もっとも、この場合において、裁判所が、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがなくなったと認めるときは、速やかに、破産債権の届出をすべき期間並びに破産債権の調査をするための期間及び期日を定めなければならない(法31Ⅲ)。
なお、裁判所は、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して財産状況報告集会を招集することを相当でないと認めるときは、破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会の期日を定めないことができる。
また、知れている破産債権者の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、破産債権者に対する通知をせず、かつ破産債権の届出をした破産債権者を債権者集会の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。この場合には、裁判所は、破産管財人が、日刊新聞紙に掲載し、又はインターネットを利用する等の方法であって裁判所の定めるものにより、債権者に通知すべき事項の内容、債権者集会の期日を破産債権者が知ることができる状態に置く措置を執るものとすることができる(規則20Ⅲ)。
「司法書士のための破産の実務と論点」(古橋清二著 2014年4月民事法研究会発行)より