(7)自動車・動産の売買
小規模な法人の場合には、法人の活動と経営者個人の生活とが混然一体となっていることが多いため、法人名義の自動車を経営者個人の私生活にも利用しており、破産手続開始決定後も個人で利用したいという場合がある。このような場合には、経営者の親族などに適正価格で売却するなどして換価することも検討する必要がある。もっとも、所有権留保やリースが組まれている場合には債権者との調整が必要となる。
また、従業員が独立のために機械器具の購入を希望するなど、機械器具を適正価格で処分できる機会があれば、これに応じることも検討に値する。
このほか、納入業者が在庫分について売買契約を解除して引き取りに来ることもあるので、解除された商品名、個数、金額を明らかにし、解除後の債権額を把握しておく必要がある。
「司法書士のための破産の実務と論点」(古橋清二著 2014年4月民事法研究会発行)より