(4)売掛金等の回収

     債権者全体の満足の最大化を図るうえで、売掛金等を回収することは効果的である。平常時の取引条件は一定の締切日と支払日が定められていることが多いので、これを前倒しで回収するのは困難な場合が多いが、柔軟に対応してくれそうな売掛先に協力を求めることも必要である。なお、固定的な売掛先は税務当局も把握しており、破産手続開始決定までに差押えられることも少なくないので注意が必要である。

  (5)現金の確保

     売掛金や預金を金融機関に預けたままにしておくと、租税による差押えや貸付金との相殺により現金化できなくなる可能性があるので、現金化するなどして確保しておく必要がある。

 

「司法書士のための破産の実務と論点」(古橋清二著 2014年4月民事法研究会発行)より

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立