(4)生計管理

 相談者が個人の場合は、破産申立をする究極の目的は経済的に立ち直ることである。その手助けをすることが破産申立書類の作成を受任した司法書士の仕事とすれば、単に法的手続を遂行するだけでなく、相談者がこれからどのように生計を立てていくかということにも気を配ることが必要である。

 具体的には、少なくとも手続進行中は家計簿をつけてもらう、定期的に面談期日を設けて依頼者の生活状況の報告を受ける、などのアドバイスや精神的な励ましが中心となる。しかし場合によっては、低所得者に生活保護を勧める、ひとり親家庭であれば児童福祉手当の受給を勧める、高齢者・障害者に社会福祉協議会の福祉サービスを紹介する、消費生活コンサルタント、各地のクレサラ被害者の会などの他分野の専門家を紹介するなど、より踏み込んだ関与も望まれる。

 

「司法書士のための破産の実務と論点」(古橋清二著 2014年4月民事法研究会発行)より

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立