(9)信用情報
破産や破産の申立の事実は信用情報機関にその旨が登録される。これはいわゆる事故情報で、世間ではブラック情報とも呼ばれている。
債務整理を受任して受任通知を送付すると信用情報機関に債務整理情報が登録されるおそれがある。これは、受任して支払を停止し、これが3か月間続くと延滞情報が登録されるおそれがあるからである。
その後、過払が発生している場合は、最終的に和解すると延滞情報は削除され、完済情報が登録され、債務整理情報は削除される。一方、利息制限法による引直計算後も債務が残り、残債務について和解するとその時点で債務整理情報が再登録される。延滞情報は延滞解消情報に置き換わり、この延滞解消情報は1年で削除される。残債務を一括又は分割で完済した場合には完済情報が登録される。任意整理の場合は、債務整理情報は完済になっても削除されず、登録から5年で削除される。つまり和解から5年で削除されることになる。
破産の場合にどのように信用情報が登録されるのか。日本信用情報機構の例は次のとおりである。
まず、受任して受任通知を送付すると債務整理情報が登録され、3か月間延滞が続くと延滞情報が登録されるおそれがある。その後破産申立がなされると破産情報が登録される。そして免責決定が確定すると、延滞情報は延滞解消情報に置き換えられるが免責決定が確定しただけでは延滞情報は削除されない。
信用情報機関に事故情報が登録された場合、貸金業者や信販業者、銀行等からの借入れやクレジットカード作成の与信審査に通らない。しかし5年から7年程度が経過すれば事故情報は抹消されることになる。
「司法書士のための破産の実務と論点」(古橋清二著 2014年4月民事法研究会発行)より