(5)郵便物等

破産手続開始決定があると、裁判所は、破産者にあてた郵便物又は信書便物等の郵便物等を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができるとされている(法81Ⅰ)。また、破産手続が終了したときは、裁判所は、この嘱託を取り消さなければならない(法81Ⅲ)。

破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができるが(法82Ⅰ)、破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った郵便物等の閲覧を求め、又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる(法82Ⅱ)。

 これらは、破産者宛に配達される郵便物等を通じて財産の存在や隠匿行為を発見するために行われるものである。したがって、破産手続開始決定と同時に破産手続が廃止された場合には、郵便物等が上記のような取り扱いを受けることはない。

 

「司法書士のための破産の実務と論点」(古橋清二著 2014年4月民事法研究会発行)より

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立