第1章 破産手続の理念と司法書士の役割
Ⅰ 破産制度の目的
破産手続は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続であり、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的としている(法1)。破産手続開始の申立は債権者又は債務者等がすることができ(法18①)、債務者自らが申し立てる場合は自己破産と呼ばれている。
「司法書士のための破産の実務と論点」(古橋清二著 2014年4月民事法研究会発行)より