3月31日を基準日とする株式会社において,4月20日に当該会社が全株を自己株式として取得した場合,5月30日に開催される株主総会の議決権は,誰が行使することになるのでしょうか?あるいは,株主総会は有効に開催できるのでしょうか?又,自己株式が全株消却され,5月10日に募集株式の発行がなされた場合には,定時株主総会の構成株主並びに議決権行使株主は,どの株主になるのでしょうか?基準日以降に会社の募集株式に応じて株式を取得した者は,をその後に開催される株主総会の議決権行使者とすることができる(法124条4項)。発行している株式の全部を自己株式とするのは,通常は100%減資をする場合にその株式を全部取得条項付株式とする株主総会の特別決議を得てなされるが,それ以外の場合では,100%自己株とした場合には,結果として株主総会で議決権を行使することができず有効な株主総会が開催されない結果となり決議も存在しないこととなる。会社法ではそのような場合を想定していない。栃木県全体研修会18.9.30

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立