機関設計と役員に関しては同時申請義務があるのはまだ理解できますが、取締役会廃止と譲渡制限規定の「取締役会の承認」の変更にも同時申請義務があるというのは多くの司法書士が納得しかねています。取締役の責任軽減の登記に「取締役会決議で」とあったら、これも同時申請義務が生じてしまいます。新株予約権の取得条項に「取締役会決議で」とあった場合はどうするのでしょうか。新株予約権者との契約ですから、株主総会だけでは変更できません。端株に関しては、存在せずとも定款変更決議しない限り、端株原簿名義書換代理人の登記ができないわけですから、ここも譲渡制限規定を定款変更しない限り、登記義務はないという運用を切にお願いしたいと思っております。つまり、取締役会を廃止したら、速やかに譲渡制限規定なども定款変更義務(実体法上の義務)が生じるが、変更しない限り、新しい定款内容が決まっていないので、登記義務も発生しないと考えられないでしょうか。取締役会設置会社が解散すると、譲渡制限の「取締役会の承認」についても同時申請義務が課されるのではと、不安を持っている司法書士が多数存在しますので(登録免許税の増大による解散の躊躇)、善処をお願い申し上げる次第です。ちなみに、将来、取締役会設置会社として会社継続するかもしれないので、譲渡制限の「取締役会の承認」はそのまま残しておきたいという実務の要請もあります。会社が解散すると目的も清算の目的の範囲に限定されるのに、事業目的の登記は維持されるので、譲渡制限の登記が維持されても不自然ではないと考えます。いずれも同時申請が必要である(登記情報539号5頁、登記研究708号)東京司法書士会中央支部セミナーQ&A

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立