父が亡くなりました。父は二男であったので、新たにお墓を建てる必要があるのですが、その際、民営である霊園から「祭祀承継者は誰ですか?」と尋ねられました。祭祀承継者って何ですか
 祭祀承継者とは、「祭祀財産」を受け継ぐ者のことをいい、「祭祀財産」は「祭祀を主宰すべき者」が承継します。

 聞きなれない言葉ばかりだと思いますが、「祭祀」とは、神や祖先を祭ること、「祭祀財産」とは、系譜(家系図など祖先からのつながりを示すもの)、祭具(位牌、仏壇、仏具、神棚など)、墳墓(墓石、墓碑、墓地)などのことをいいます。

 また、「祭祀を主宰すべき者」は、通常の相続人の定め方とは異なり、①被相続人の指定 ②被相続人の指定がないときは慣習 ③被相続人の指定がなく、慣習も明らかでないときは、申し立てにより家庭裁判所が定める という順序で定まります。①の被相続人の指定は、書面に限らず口頭でもよく、明示・黙示も問いません。

 新たにお墓を建てるということですので、受け継ぐべき具体的な祭祀財産がないかもしれませんが、例えばあなたが被相続人からお墓のことを託されていて、ほかに特段の事情がなければあなたが祭祀承継者であると言えるでしょう。

(文責 井口ゆり)

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立