従来の寄与分の請求における「特別の寄与」と、特別寄与料における「特別の寄与」とはどのような違いがありますか。
従来の寄与分の請求における「特別の寄与」は、寄与の程度が被相続人と相続人の身分関係に基づいて通常期待される程度の貢献(「通常の寄与」)を超える「高度な」ものであることが要求されます。
一方、特別寄与料における「特別の寄与」は、貢献の程度が一定程度を超えることで足ります。
また、従来の寄与分の請求では、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をしたことが必要です。
これに対し、特別寄与料を請求するためには、被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をしたことが必要です。
このように、従来の寄与分の「特別の寄与」では「財産上の給付」も要件とされているのに対し、特別寄与料における「特別の寄与」では「財産上の給付」は要件とされていないことに注意が必要です。