夫が亡くなりました。相続財産は預金約500万円だけです。相続人は私と30才の子供だけです。銀行に預金を解約しに行ったところ、遺産分割協議書の提出を求められました。子供は「かあさんが相続すればいいよ」と言ってくれていますので遺産分割協議書という書類は作っていません。子供は転勤で海外にいるのですが、どうしたらいいでしょうか。
 亡くなられたご主人の預金は相続人全員の同意がなければ解約できないことになっています。銀行としては、子供さんが「かあさんが相続すればいいよ」と言っていることを書面で確認する必要があるわけです。
 そのため遺産分割協議書の提出を求められていると思われますが、遺産分割協議書には相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付しなければなりません。

 子供さんが住所を海外に移されている場合は印鑑証明書が発行されませんので、代わりに居住先の日本大使館または領事館で「署名証明書」(サイン証明)を発行してもらいます。

 具体的には、遺産分割協議書を海外の子供さんに送り、大使館または領事館へお持ちいただいて領事の面前で署名し、証明書を付けてもらいます。遺産分割協議書の作成はご自身でもできますが、不安があるようでしたら専門家に相談されるとよいでしょう。

(文責 井口ゆり)

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立