父親が自宅不動産と預貯金を残し先月死亡しました。グループホームに入所している母親を含めて遺産分割協議する場合、どのような手続きをしたらいいでしょうか? 相続人は認知症の母親・長男・長女になります。
 相続人が認知症のように判断能力が不十分な者を含めて遺産分割協議を行う場合には、家庭裁判所で成年後見制度等を利用することが必要です。母親の後見人には長男又は長女がなるのかという問題がありますが、長男と長女は遺産分割においては母親と利益相反となりますので、特別代理人の選任も必要になります。家庭裁判所からは、原則として財産について法定相続分の確保することを求められます。

 家庭裁判所には遺産分割(案)を提出することも必要ですし、遺産分割が整った後は、相続登記を法務局に申請することも必要となります。また、成年後見制度の利用のきっかけとなった遺産分割が終了しても、後見人としての職務は終了せず、本人である母親が死亡するまで続きます。その間、後見人の財産と本人の財産とを区別して管理しなければならないですし、家庭裁判所への定期的な報告があります。

(文責 山本剛史)

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立