父が亡くなり葬儀も終わりました。しかし、父には多額の借金があるため相続放棄することを考えています。父名義の土地建物があるのですが、相続人全員が相続放棄した場合、この土地建物はどうなるのでしょうか。
 相続の放棄等により相続人が不在となった場合、相続財産は清算がおこなわれ、プラスの財産が残った場合、最終的には国庫に帰属します。

 清算事務は、相続財産管理人が行います。相続財産管理人は、家庭裁判所が利害関係人又は検察官の申立によって選任されます。相続財産管理人をして相続財産を管理・清算・消滅させるとともに、出現する可能性のある相続人を捜索し、最終的には国庫に帰属するものとなります。

 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます。そうすると、亡くなった方の子の全員が相続の放棄をした場合、亡くなった方のご両親等が相続人になります。ご両親等が既にいないまたは全員が相続の放棄をした場合、亡くなった方の兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹がいないまたは全員が相続の放棄をした場合に相続人が不在となります。

 このように先順位の相続人が相続の放棄をすると、相続権が順次移っていきます。そもそも相続の放棄はマイナスの財産を相続しないようにする場合がほとんどでしょうから、ご相談者が相続の放棄をすることで祖父母や叔父叔母に影響があることを知っておきましょう。

(文責 川端満秋)

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立