父親が相続対策でアパートを建てましたが空室が多く、アパートローンを支払うと赤字です。他の土地は有効活用できていますので、このアパートだけ相続放棄したいと思います。どのようにすればいいでしょうか
 相続放棄とは、亡くなった方の不動産・預貯金等のプラスの財産、借金等のマイナスの財産、その一切を受け継がないことをいい、あなたが相続放棄をすれば、アパートローンを支払わなくてもよくなりますが、他の有効活用できている土地も相続することはできません。

 一方、相続をすると、亡くなった方のプラスの財産、マイナスの財産、そのすべてを受け継ぐことになりますので、土地を受け継ぐとともに、アパートローンも支払わなければなりません。

 相続人が、プラスの財産のみを受け継いで、マイナスの財産は受け継がないとすると、債権者を害することになりますので、そのような方法は認められていないのです。

 なお、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いかわからない場合には、限定承認という手続きをとることができます。限定承認は、亡くなった方のプラスの財産の範囲内で、マイナスの財産を負担することになります。

(文責 井口ゆり)

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立