父が危篤状態となり、主治医から「今夜がヤマ」と言われました。葬儀費用などいくらぐらい出金しておいたらいいでしょうか。
 父の委任状なしに勝手に父の口座から出金することはあまりお勧めできませんが、もし葬儀費用について出金をしておく場合は、葬儀費用の見積をとっているときは見積金額に、見積をとっていないときは、生前の父の身分に相応しい規模の葬儀にかかる金額又は相続人の同意する範囲の金額にとどめておいたほうがいいでしょう。

 子が親からの委任状なしに勝手に親名義の口座から出金することは、たとえ親子であっても、原則いけません。

 しかし、葬儀費用や入院費といった、父の死後、短期間に精算を余儀なくされる費用を、家族で用意することが難しい場合に、あらかじめ、父の口座から出金してお金を準備しておこう、という気持ちは理解できます。

 そこで、やむなく、父の口座から葬儀費用を出金しておこうと決めたご家族に対して、注意すべき点をお教えします。

 出金に際しては、できる限り、父の相続人となる人全員から同意を得ておくことをお勧めします。後日の相続トラブルを避けるためです。

 また、出金する金額ですが、葬儀費用の見積をとっているときは見積金額、見積をとっていないときは、生前の父の身分に相応しい規模の葬儀にかかる金額又は相続人の同意する範囲の金額と必要最小限にとどめておいたほうがいいでしょう。

 そして、出金したお金を使ったときは、その領収書を後日相続人に提示できるように、しっかりと保管しておきましょう。

(文責 監物宏昌)

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立