自筆証書遺言の誤記を訂正したいのですが、簡易な方法で訂正するにはどうすればいいですか
自筆証書遺言中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ効力を生じません。
しかし、自筆証書中の記載自体からみて明らかな誤記の訂正については、遺言者の意思を確認するについて支障がないものであるから、遺言の効力に影響を及ぼすものではないと解するのが相当であるとされます(最高裁昭和47年3月17日 民集26巻2号249頁)。
また、遺言者が書損じた文字を抹消したうえ、これと同一又は同じ趣旨の文字を改めて記載したものであることが証書の記載自体からみて明らかな場合には、当該自筆証書遺言が無効となるものではありません(最高裁昭和56年12月18日 民集第35巻9号1337頁)。
もっとも、これらの判例は単なる誤記の訂正という前提における判断であるので、簡易な方法で訂正することをお薦めするわけではありません。