法務局から発行された「法定相続情報一覧図の写し」に記載されている人が相続人であると理解すればよいですか?
 家庭裁判所に相続放棄の手続きをした方は相続人ではなくなりますが、このような方も、他の相続人と同じように法定相続情報一覧図に名前が明示されます。その理由は、法定相続情報一覧図が戸籍謄本等の記載に基づいて作成されるものであることから、戸籍の記載事項とはならない「相続放棄」の情報もまた、法定相続情報一覧図には記載されないことによります。

 したがって、基本的には「法定相続情報一覧図の写し」に記載されている人を相続人と考えればよいわけですが、この中に相続放棄の手続きをした人がいる場合は、別途、家庭裁判所が発行する「相続放棄申述受理証明書」を用意する必要があります。

 相続放棄の場合だけでなく、相続欠格、廃除、相続開始時に胎児がいる場合などのケースでも、「法定相続情報一覧図の写し」に記載されている相続人と実際の相続人との間に齟齬が生じる可能性が考えられますので、ご注意ください。

 なお、この点の注意喚起をする目的で「本書面は、提出された戸除籍謄本等の記載に基づくものである。相続放棄に関しては、本書面に記載がない。また、相続手続以外に利用することはできない」とする注意事項が付記されます。

(文責 中里 功)

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立