申出書には、被相続人の出生から死亡までの戸籍や除籍の謄本を添付することとされていますが、それらの一部が滅失等していて発行されない場合はどうすればよいですか
 被相続人が養子縁組や認知をしている可能性もあり得ることから、被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて揃えることにより相続人の範囲を確定しますが、それらの一部が戦災等により滅失していることもあります。

 そうした場合には、「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書を発行してもらい添付することで足ります。

 また、市町村によっては、上記証明書を発行しない扱いもありますが、その場合には、除籍等の交付請求書等に対して担当者が交付不能と記載した書面を添付することで代替できます。

 なお、上記は、あくまでも戸籍・除籍が存在していたことを前提とする制度であり、例えば被相続人が日本に帰化し、帰化する以前の戸籍がないような場合には、法定相続情報証明制度の利用ができない点に注意が必要です。

 なお、相続による権利の移転の登記等の申請と併せて法定相続情報一覧図の保管及び一覧図の写しの交付の申出がされた場合に限り、当該登記申請における審査において当該法定相続情報一覧図の内容を登記官が確認することができることを前提に、必ずしも被相続人の出生時からの戸除籍謄本を必須のものとすることなく、当該登記申請の審査に必要な範囲の戸除籍謄本にて当該申出を取り扱うことができるとして差し支えないものとされています。

(文責 倉田 和宏)

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立