民法改正後に賃貸借契約の保証契約を個人と結ぶ場合は極度額を定めなければならないとされましたが、「賃料○カ月分」というような定め方でもいいでしょうか。

 極度額を定める場合の定め方については、今後の実務や裁判例を注視していく必要があり、「賃料○カ月分」という定めが有効かどうか、現時点では不明です。ただ、平成16年改正で設けられた貸金等根保証契約の限度額については、具体的な金額を定めなければならないと解説しているものもありますので、その考え方を踏襲すると、「賃料○カ月分」という定め方は避けた方が無難であると思われます。

 また、仮に「賃料○カ月分」という定め方をしてしまうと、賃料が改定されたときにはそれに連動して限度額が変動してしまうことになり、具体的な金額を定めたものとは言いがたいものとなってしまいます。

 したがって、「賃料○カ月分」という定め方をするのであれば、「当初賃料○カ月分」等と、具体的金額が変動することなく把握できるようにすべきであると思われます。

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立