債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、または、権利を行使することができる時から10年間行使しないときは、時効により消滅します。
ところで、期限の定めのない債権については、債権者はいつでも債務者に履行を請求することができます。そして、そのことは、債権者も知っていると考えられます(実際には知識がなく知らなかったとしても、法的には知っていたものとして扱われます)。
したがって、「債権者が権利を行使することができることを知った時」と「権利を行使することができる時」とは同じ時点となるため、その時点から5年で消滅事項期間が経過することになります。
しかし、貸金を代表とする消費貸借契約では、当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、相当の期間を定めて返還の催告をすることができるとされていることから(民591条1項)、相当期間が経過しなければ返還の請求をすることができません。ですから、相当期間が経過してから5年経過しなければなければ消滅事項期間が経過したとは言えません。