改正民法では、注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなった場合には、既にされた仕事の結果のうち、可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなし、請負人は、その利益の割合に応じて報酬を請求することができるとしています。
一方、注文者に帰責事由にあって仕事を完成することができなくなった場合には、債権者は、反対給付の履行を拒むことができないことから(民536条2項前段)、仕事が未了の部分も含めて報酬全額の債務を負うことになり、債務者は、自己の債務を免れたことによる利益の償還をしなければならないということになります(民536条2項後段)。