たとえば、100万円について諾成的消費貸借契約が成立し、貸主が借主に100万円を交付する前に借主が別の資金調達をして借りる必要がなくなったとします。
しかし、契約の拘束力からすると、貸主は貸す義務を負い、借主は100万円を返済する義務を負うことになります。しかし、必要性が消滅しているのにそれぞれに義務を強いるのは不合理です。
そこで、改正民法においては、諾成的消費貸借の借主は、目的物を受け取るまでは、契約の解除をすることができることとしました。
しかし、借主からの契約解除によって貸主に損害が発生した場合には、その損害を貸主が負担するのは不合理であることから、貸主は損害賠償の請求をすることができるとされました。