一概には言えませんが、当初の契約が2020年4月より前に締結され、改正民法施行後に自動更新された場合でも、契約締結時、すなわち、改正前の民法が適用されるものと思われます(附則34条1項参照)。
これは、契約の当事者は契約を締結した時点において通用している法令の規定が適用されると考えるのが通常であるため、施行日前に契約が締結された場合について改正後の民法の規定を適用すると、当事者の予測可能性を害する結果となること等によるものです(部会資料85-4頁参照)。
しかし、いずれの民法が適用されるのかを明確にするため、更新時に改正民法を前提として起案した契約書を締結し直すことは有意義であると考えます。
なお、法第604条2項(賃貸借の存続期間)の規定は、施行日前に賃貸借契約が締結された場合において施行日以後にその契約の更新に係る合意がされるときにも適用されます(附則34条2項参照)。
これは、賃貸借契約の更新は契約の当事者の合意により行われるものであるため、更新後の賃貸期間の上限を20年から50年に改める旨の改正後の民法の規定を施行日前に契約が締結された場合について適用しても、契約の当事者の予測可能性を害することにはならないこと等を根拠としています(部会資料85-4頁参照)。