退職慰労金として不動産を給付することは可能です。退職慰労金の決定は、株主総会で決議をする必要がありますが、必ずしも金銭の支給ではなく、会社が所有する不動産を与えることも可能です(会社法361条1項3号)。この場合の不動産の所有権移転登記を申請をするときの登記原因は、「年月日退職慰労金の給付」とするのが相当であるとの質疑応答が出されています(登研790号)。
おそらく、会社法施行以前は、退職慰労金として金銭を支給する旨の決議しておいて、その代物弁済として不動産を与え、不動産の名義変更も「年月日代物弁済」と登記原因として登記を申請していたことが多いと思われます。会社法で金銭以外の報酬が認容されたことにより、上記の質疑応答が出されたものと思われます。