遺留分侵害を生じた遺贈と生前贈与複数混在する場合、また複数の贈与が混在する場合に、遺留分減殺請求はどのような順序で行うことになるのでしょうか。
まず、遺贈と生前贈与が混在する場合、 遺留分権利者は、 まず遺贈を減殺した後でなければ贈与を減殺することができません(民法1033条)。これは、遺留分減殺の対象となる法律行為として、相続発生時により近 いものから減殺をするという趣旨です。
次に、複数の贈与がある場合、後の贈与から前の贈与に対して順次減殺を行うと規定されています(民法1035条)。この規定の趣旨も、遺留分減殺の対象となる法律行為として、相続発生 時により近いものから減殺をするという趣旨です。
なお、相続開始前1年間より前の贈与については、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってなされたものに限って、遺留分減殺の対象となります。