改正民法の下で、債務者の債務不履行により契約を解除する場合には必ず履行の催告をしなければならないのですか。

 民法541条は、「当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる」と定めています。したがって、原則として履行の催告をすることが必要です。

 一方、催告をしても契約をした目的を達するに足りる履行がなされる見込みがない場合など、次のように、催告をすることが無意味な場合には無催告解除が認められます(民542条1項)。

1 債務の全部の履行が不能であるとき。
2 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
3 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
4 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。
5 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立