中央式遺言で作った付言事項の具体例を教えていただけますか

あくまでもひとつの例として、次のような付言事項があります。 最後に伝えておきたいことがあります。
私が現在持っている財産は、自宅の土地と建物、○○銀行の預金100万円程度です。
本当は、ABC3人に均等に分けてあげたいのですが、自宅を3つにわけることもできません。
さいわい、長男Aが家業を継いでくれていますので、家業のためにも必要な自宅は長男Aに相続させることにしました。
また、私の葬儀やお祀りごとにもいろ いろとお金がかかると思いますので、わずかな預金ですが、これも長男Aに相続させることにしました。
結果として、Aには全ての財産を相続させることにしましたが、BやCがそれぞれ住宅ローンを払っていたり家賃を支払っていたりしていることを考えれば、Aは金銭的には余裕があるかもしれません。
しかし、亡くなったお母さんの介護に続き、私の老後の世話を見てくれて、大変助かっています。
一口に介護と言っ ても、毎日毎日、昼も夜もなく面倒をみてくれました。この苦労は、実際に経験した者でなければわからないと思います。BもCも、そのあたりは理解してあげ てください。
Bは若くして結婚し、私も心配で心配でなりませんでしたが、今では子供3人を立派に育て上げ、頼りがいのある母親になりましたね。何も遺してあげることはできませんが、亡くなったお母さんの着物と指輪などが和箪笥にたくさんありますので、形見分けとして気に入ったものを貰ってください。
Cは、小さい頃は本当におとなしい子でしたので、まさか、会社を辞めて自分で商売を始めるとは思いませんでした。特に、生き馬の目を抜くような厳しい業界だと聞いていますが、何か困ったときは、必ずお兄さんに相談しなさい。きっと、力になってくれると思います。
Cにも何も遺してあげることはできませんが、私が結婚した時にお母さんに買ってもらった腕時計を形見分けにもらってください。手動式で、時間も時々狂いますが、そんなところが私に似ていると思って使ってもらえると大変嬉しく思います。
みなさんには本当に感謝しています。これまで、いろいろなことがありましたが、しあわせな人生をおくることができました。
本当にありがとう。

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立