「従業員等への承継」には、どのようなパターンがありますか?

「従業員等への承継」として考えられるパターンとして、主に次の2通りが考えられます。なお、将来の子息等への承継の中継ぎとして、従業員等へ一時的に承継するような場合もあります。(1)役員・従業員等社内への承継パターン
社内の後継者候補としては、共同創業者、専務等番頭格の役員、優秀な若手経営陣、工場長等の従業員等が考えられます。
なお、自社の役員等が後継者となる場合、経営者やその親族が保有している自社株式買取りの資力がないことが障害となることが多いと考えられますが、そのような場合に、MBO(用語説明参照)という手法が利用できる場合があります。

(2)取引先・金融機関等外部から後継者を雇い入れる承継パターン
取引先の企業や金融機関から人を招く場合が多いです。
ただし、社内に基盤がない者が後継者になることは、従業員等の反発が予想されるので慎重に選定しなければなりません。

MBO(Management Buy-Out:マネージメント・バイ・アウト)
後継者となる会社の経営陣(マネージメント)が、オーナー経営者等が保有する株式を買い取って経営権を取得する手法です。株式買取資金については、経営陣の能力や事業の将来性を担保として、金融機関の融資や投資会社の出資等を受けられる場合もあります。MBOを成功させるためには、事前に十分な期間をとって、会社の実力の「磨きあげ」を行っておくことが重要(Q15参照)です。

古橋 清二

昭和33年10月生  てんびん座  血液型 A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身 昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー(東証一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる 平成2年 古橋清二司法書士事務所開設 平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立