株主総会運営

株主管理から株主総会運営まで支援します!

株主名義書換
スクイーズアウト(Squeeze-out )、キャッシュ・アウト(Cash- out)
従業員持株制度
株主総会招集通知、議決権参考書類の作成
株主総会運営指導
株主総会進行マニュアルの作成
株主総会議事録等の作成
注)株主総会運営支援は行政書士業務として行っております。

株主構成を考えてみましょう
 会社の経営者は、会社は自分のものであり、経営方針や業績について人からとやかく言われたくないと考えがちではないでしょうか。しかも、会社の株式の大半は社長さんやその家族が所有していることが多いため、どうせ総会を開いても予定どおり決議できることは明らかであり、わざわざ費用をかけて総会を開く意味はないと考えているのかもしれません。
 一方、縁故や友人関係にあるため頼まれて株式を持たされた株主も、義理で出資したものに多くは望まない、会社が潰れなければいいのであって、とりたてて権利を主張するつもりはないということかもしれません。
 しかし、20年後にどのような方々が株主になっているか考えたことがありますか? いつまでも縁故株主ばかりとは限りません。株主が死亡して相続が発生すれば、それまであまり知らなかった人がある日突然株主として現れることになり、株主としての権利を主張し、場合によっては「総会が開かれていない」とクレームをつけるかもしれません。
 ですから、株主を適切に管理したり、株主構成を見直すことも必要です。
・・・株主に相続が発生した場合に相続人から株式を買い取る方法があります
・・・従業員に株式を持たせる場合、退職と同時に強制的に買い取る方法があります
・・・行方不明の株主が所有する株式を買い取る方法があります
・・・少数の株式を所有する株主を強制的に排除する方法があります

中小企業の総会のあり方がある筈です
 株主総会というと上場企業で行われているような総会を思い浮かべがちですが、中小企業は上場企業の総会を見習うべきではないと思います。上場企業の総会は、なるべく短時間に、出席者も少なく、質問もなくシナリオどおりに終わった方がよいと考えているとしか思われません。上場企業の株主の大半も、株価が値上がりすればよく、会社の内容や業績にはあまり興味がないのではないでしょうか。
 しかし、中小企業の総会は、会社と株主がお互いに理解を深め、ともに会社の将来を考える場として法律が用意した絶好の機会と考えるべきだと思います。ですから、中小企業は中小企業なりの、新しいイメージの総会を目指すべきです。
・・・株主総会招集通知を作成します
・・・株主総会の進行シナリオを作成します
・・・株主総会のリハーサルを行います
・・・株主総会運営のお手伝いをします

ウチも株主総会やらなきゃいけないの?
 毎年6月末になると、○○商事の株主総会が20分で終了したとか、○○電力の株主総会には原発反対の市民運動家が出席したとか、○○証券の株主総会ではプロ株主(総会屋)が多数出席したなど、ニュースや新聞紙上で株主総会に関する報道が行われます。なぜ6月末なのかというと、上場企業の大半が3月決算で、総会は決算期から3カ月内に開催しなければならないとされているからです。
 このように社会的な話題となる株主総会ですが、中小企業の方々にとっては、どこか別世界の話題として耳に入っているのかもしれません。
 わが国には、株式会社が百数十万社あると言われていますが、果たしてどれだけの会社が株主総会を開いているでしょうか。統計的なものはありませんが、私が日常の仕事を通じて実感しているのは、多くても5パーセント程度の会社だけではないでしょうか。
 しかも、その5パーセント程度の会社がどのような姿勢で総会を開いているかといえば、できればあまり大勢の株主に出席してもらいたくない、予定した議案だけをスムーズに決議して質問などはない方がいい、なるべく短時間で切り上げたい、といったものだと思われます。
 でも、考えてみれば、1年間の事業の総括や、会社の役員選任などの重要な事項を決めるためにわざわざ株主に集まってもらったにもかかわらず、総会を主催する会社がこのような後ろ向きの姿勢で、短時間のうちに総会を切り上げてしまうのはいかがなものでしょうか。
 ましてや、大半の会社では総会すら開いておらず、総会議事録だけが作成されているという現実はどのように理解したらよいのでしょうか。これらの原因は、会社の経営にあたる社長さんや役員の方々の認識と、総会開催を定めた会社法の精神との間にズレがあるからだと思います。

うまくいつているときは誰も文句を言わない
 会社の経営者は、会社は自分のものであり、経営方針や業績について人からとやかく言われたくないと考えがちではないでしょうか。しかも、会社の株式の大半は社長さんやその家族が所有していることが多いため、どうせ総会を開いても予定どおり決議できることは明らかであり、わざわざ費用をかけて総会を開く意味はないと考えているのかもしれません。
 一方、縁故や友人関係にあるため頼まれて株式を持たされた株主も、義理で出資したものに多くは望まない、会社が潰れなければいいのであって、とりたてて権利を主張するつもりはないということかもしれません。

会社の所有者は株主総会であるという認識が必要
 しかし、会社を所有しているのは株主であって、決して社長のものではありません。社長などの役員は、株主から経営を委託されているにすぎないのです。ですから、経営者は、総会で会社の経営状況を株主に報告し、了解を求め、また、重要な事項については決議してもらうことが必要なのです。
 しかも、いつまでも縁故株主ばかりとは限りません。株主が死亡して相続が発生すれば、それまであまり知らなかった人がある日突然株主として現れることになり、株主としての権利を主張し、場合によっては「総会が開かれていない」とクレームをつけるかもしれません。

身の丈に合った総会で十分です
 でも私は、だからといって無責任に「総会を開きなさい」と言うつもりはありません。株主が数名か、せいぜい数十名で、しかも株主がお互いに顔見知りのような会社に対して上場企業のような厳格な総会を期待することはできませんし、その必要もないと思われます。
 また、面倒だけど仕方なく総会を開くのではなく、株主とのコミュニーションを図り、株主に会社の経営内容や営業方針を理解していただき、単にスポンサーではなく、会社のサポーターとしての株主作りをしていくんだという、前向きな姿勢に頭を切り替える必要があると思います。
 株主とのコミュニケーションがうまくいけば、ひょっとしたら株主の何気ないアドバイスで新しい事業が展開できたり、場合によっては追加出資を申し出てくれるかもしれません。
 では、どういった総会が身の丈に合った総会なのか、そのような総会を開くためにはどのようにすればいいのか、株主とのコミュニケーションを図るなど、総会をいかに前向きにとらえるかという観点で、中小企業の新しい株主総会のあり方を提案したいと思います。

総会の運営を支援します
 当事務所では、スケジュールの立案から、株主総会の招集の仕方、議案の作り方、株主総会運営指導、総会進行マニュアル(シナリオ)の作成などを通じてご依頼いただいた会社を支援していきたいと考えています。

総会は株主とのコミュニケーションツールです
会社の種類と出資者の責任
 わが国の法制度ではさまざまな種類の法人が定められていますが、営利を目的とする会社の代表的なものは株式会社、合名会社、合資会社、合同会社です。また、有限会社は、法制度上は廃止されましたが、経過措置として多くの有限会社が存続しています。 このうち、合名会社や合資会社は、出資者の全員または一部が無限の責任を負う(例えば100万円の出資に対し、事業失敗などの場合にはそれ以上の責任を負わされることがある)ことや、イメージ的にかなり小規模な事業を想像させるため、新規に設立されることは滅多になく、既存の合名会社、合資会社もそれほど多くありません。
 しかし、実際には、歴史のある合名会社や合名会社は不動産などの含み資産を多数所有しており、財務体質がきわめて良好である会社が少なくありません。
 株式会社、合同会社、有限会社の場合、株主は出資した金額以上の責任を負うことはありません。仮に会社が倒産しても、出資した金額が戻らないことを覚悟さえしておけばそれ以上の責任を負うことはないわけですから、合名会社や合資会社に比べれば気軽に出資することができますし、会社としても不特定多数の人に出資を依頼することができるわけです。

「所有と経営の分離」が「所有と経営は無関係」になっていませんか?
 このように、株主から出資を集めて会社が設立されたとしても、経営者としては誰を役員にするかということから会社の経営上の細かな判断に至るまで、いちいち株主の意見を聞いているわけにはいきませんし、株主とて必ずしも経営のセンスがあるとは限りません。
 そこで、株式会社の場合には、株主総会で取締役などの役員の選任や定款の変更などの重要事項について決議し、会社の業務執行については取締役に委ね、1年に1回は業務執行の結果を数字で示した計算書類を総会で承認するという方法をとっています。
 このようなシステムは「所有と経営の分離」と呼ばれ、株主は会社を所有し、取締役は業務執行にあたるということになります。このシステムがうまく作用していれば問題ないのですが、中小企業の場合、往々にして「所有と経営の分離」ならぬ「所有と経営の無関係」となってしまっていることも多く見られます。
 例えば、株主がA、B、C、Dの4名であり、取締役はA、B、Fの3名、代表取締役はAという会社があるとします。AとBは、自分が株主でもあり取締役でもあるわけですから、経営内容については十分承知しており、総会を開く必要性すら感じていません。Fは、取締役として経営内容を把握していますが、自分が株主ではないため総会については全く興味を持っていません。
 一方、CとDは、会社を作るときにはAとBに頼まれて出資をしたのに、その後会社が儲かっているのか損をしているのか、仕事は順調かなど、もう3年間も音沙汰がありません。ところが、風の噂では会社の業績も順調で、イメージアップのために最近社名を変更したとのこと。もちろん、何も聞かされていないCとDはおもしろくありません。

株主と良好なコミュニケーションとするためには
 さてどうでしょう。このままでは、CとDは株式を第三者に売ってしまうかもしれませんね。また、将来景気が悪くなって会社が追加出資の引き受けを頼んだときに、CとDは応じてくれるでしょうか。
 こうなってしまった原因は、経営陣と株主とのコミュニケーション不足にあるのです。毎年総会を開いて決算の承認を受ける必要があったのではないでしょうか。社名変更は総会の決議が必要ですから、CもDも参加の機会のある総会で承認を受ける必要があったのではないでしょうか。
 もうお気づきのことと思いますが、「所有と経営の分離」のシステムの中で、総会は、所有と経営のコミュニケーションを図る必要不可欠な会議なのです。

総会を開かないとこういうことになるかも
総会の不開催でとんでもない問題に発展することも・・・
 総会を開いて株主とのコミュニケーションを図ることは長期的には大切なこととわかっていても、実際に手間とコストをかけて、それまで開いていなかった総会を開くのは決断がいるものです。もっともらしい総会議事録を作成しておくので実際に総会を開くのはもう少し見合わせたいと考えるのも、人情的にはわからないわけではありません。しかし、よくよく考えてみれば、総会の不開催はとんでもない問題をはらんでいるのです。
 会社の最重要事項は総会で決定することとなっていますが、もっとも頻繁に決議される事項としては取締役や監査役の選任をあげることができます。特に、株式会社の場合には、取締役は原則として2年に一度、監査役は原則として4年に一度は改選の時期が訪れます。

代表取締役の地位がなくなる?
 さて、代表取締役AのS株式会社は、設立以来10年以上も株主総会を開いていません。しかし、取締役の改選期が定期的に来るため、これまでは総会議事録だけを作成して登記をしてきました。そして、今年もちょうど取締役の改選時期であったため、社長であるAは自分の長男Xをあらたに代表取締役にして、自分は引退することにし、登記もすませました。
 ところが、株主の一部から、今年の総会は開催されていなかったとして総会決議不存在の訴えが起こされたとします。実際に総会を開いていなかったわけですから、会社はその裁判に勝ち目がありません。裁判で総会の決議がなかったことがはっきりしますと、Xは会社の代表取締役はおろか、場合によっては取締役ですらないことになります。そうすると、それまでXを代表取締役と信じて会社と取引をしてきた者は、実際には代表権限のない者と取引をしてきたということになり、非常に不安定な状態になってしまいます。
 実際にはそんな裁判は起こり得ないとお考えでしょうか。ところが現実には、この手の裁判は頻繁に起こり得るのです。例えば、経営権や会社の支配権をめぐって紛争となる場合、総会が開催されていなければ常套手段として総会決議不存在の裁判が起こされると考えるべきです。

会社の信用問題に発展することも
 また、この裁判は判決が出るまでにある程度の時間を要しますので、訴訟提起の前に仮処分という手続きで、現在の役員の権限が停止され、裁判所が別の者を職務代行者として選任することになります。
 もちろん、経営権や支配権の紛争について、総会決議不存在の訴えや仮処分が本質的な解決につながるものとは考えられません。しかし、いろいろな形で先制攻撃を仕掛けられ、不利な状況に陥り、取引先からも不審の目で見られるようになり、業績も悪化して根本的な問題の解決についても不当な条件を飲まざるを得ないこともあるのです。
 さらに、総会を開催していないにもかかわらず虚偽の議事録を作成して役員変更登記に使用すると、公の帳簿である登記簿に虚偽の記載をさせたということになり、公正証書原本等不実記載罪に問われることになります。
    現実に、このような原因で公正証書原本等不実記載罪に問われるケースはそれ程多くないようですが、経済事犯や暴力団を摘発するために、公正証書原本等不実記載罪で別件逮捕するということは頻繁に行われています。

総会に関する裁判の種類
 決議取消の訴
(決議の日から3カ月以内の提起期間の制限がある)
 一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。
 二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。
 三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。
 なお、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。

 決議無確認の訴
 決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認。違反が軽微でも無効になる。提起期間の制限はない
 決議不存在確認の訴
 決議がない、または総会が開かれていない場合。提起期間の制限はない。

株主総会を前向きに捉えましょう
  これまで述べてきましたように、法律は、会社に対して総会を開くよう定めていますし、総会を実際に開いていないにもかかわらず議事録などの書類だけを整えておいたとしても、総会決議不存在の裁判など、実際に紛争になってしまった場合には裁判に負けてしまいます。そうなれば、経営上も重大が問題が生じますし、社会的にも大きなイメージダウンは避けられません。
  でも、私は、どうせ総会を開くのなら、「やらなければいけないことになっているから」とか、「裁判になるのはいやだから」といった気持ちは捨てていただきたいと思っています。総会を開く以上ある程度のコスト負担は避けられませんし、そもそも、本当はやりたくない仕事をいやいや行ったとしても、コストに見合った成果は期待できません。
 
会社を冷静に見つめるチャンスです
  ですから、考え方を180度転換してみる必要があると思います。株主はなんと言っても会社のオーナーですから、会社の状況や業績、会社が今後向かっていく方向をしっかり理解していただく。もちろん企業ですから、業績がいいときばかりとは限りません。しかし、悪いときは悪いなりに、なぜ業績が悪かったのか、どのような見込み違いがあったのか、今後の対策はどのようにするのかなどを考え、誠意を尽くして説明する努力をしてはいかがでしょうか。
  そうすることにより、株主の会社に対する理解が深まり、会社との距離が少しでも縮まって、よりよい関係が作られるのではないでしょうか。
  また、考えてみれば、株主に理解していただくために会社の業績を分析するわけですから、さまざまな角度から冷静な判断がなされると思われます。そのような分析作業を従業員に分担して行うことにより、従業員のみなさんも会社に対する正確な理解を得ることができる筈です。

中小企業の総会のあり方がある筈です
総会というと上場企業で行われているような総会を思い浮かべがちですが、中小企業は上場企業の総会を見習うべきではないと思います。上場企業の総会は、なるべく短時間に、出席者も少なく、質問もなくシナリオどおりに終わった方がよいと考えているとしか思われません。上場企業の株主の大半も、株価が値上がりすればよく、会社の内容や業績にはあまり興味がないのではないでしょうか。
  しかし、中小企業の総会は、会社と株主がお互いに理解を深め、ともに会社の将来を考える場として法律が用意した絶好の機会と考えるべきだと思います。ですから、中小企業は中小企業なりの、新しいイメージの総会を目指すべきです。