訴状や調停申立書等を裁判所から受け取ったら
必ず中を確認してください
裁判所から届いた郵便物を放置としていると、あなたに言い分があっても主張する機会を失って、一方的に不利益となることがあります。落ち着いて、郵便物の内容を確認してください。なお、最近は裁判所の名を騙った架空請求の郵便物が届く場合もありますが、専門家が見れば、本物か架空請求かすぐに判別できます。自分で「架空請求」と決めつけないで、まずは中身を確認してください。
中身が訴状、調停申立書、支払督促等であった場合
「訴状」は、あなたを「被告」とする裁判の申立てがあったということです。「調停申立書」は、あなたを相手方とする調停の申立てがあったということです。支払督促は、簡素な手続きであなたに対して金銭的な支払を命じるよう裁判所に申立てがあったということです。
これらは、仮にその書類に書かれたことが真実でなかったり、あなたに言い分があったとしても、放置してしまうと相手方の言い分どおりの判決等が出されてしまうものがあります。また、訴状、調停申立書に対しては答弁書、支払督促に対して異議申立にあなたの言い分を書いて、一定の時期までに提出しなければなりません。
したがって、一日も早く司法書士や弁護士に見てもらって対応してください。
司法書士や弁護士の費用が心配な場合
司法書士や弁護士に相談したり、書類作成や代理人を依頼する場合に、費用がどのくらいかかるのか心配される方も少なくありません。当事務所ではご相談いただく際に費用の説明もしていますし、不明な点は遠慮なく尋ねていただきたいと思います。
また、収入等、一定の要件にあてはまれば法テラスの法律扶助の利用も可能です。法テラスの法律扶助を利用すれば、低廉な費用で分割払いすることができます。法テラスの申込みは当事務所を通じてすることができますので、まずは事務所にご相談いただきたいと思います。
法テラスの法律扶助制度とは
法テラスの法律扶助制度は、法テラスが定める3つの条件を満たす方が利用できます。ただし、我が国に住所を有しなかったり、適法な在留資格のない外国人や、法人・組合等の団体は対象者に含まれません。
ご利用の条件
司法書士費用等の立替制度を利用することができるのは、(1)(2)(3)すべての条件を満たす方です。
(1) 収入等が一定額以下であること
以下の資力基準をご覧ください。
(2) 勝訴の見込みがないとは言えないこと
和解、調停、示談等により紛争解決の見込みがあるもの、自己破産の免責見込みのあるものは、(2)に含みます。
(3) 民事法律扶助の趣旨に適すること
報復的感情を満たすだけや宣伝のためといった場合、または権利濫用的な訴訟の場合などは援助できません。
資力基準
法テラスは、【収入基準】と【資産基準】を満たしている方がご利用できます。
収入要件とは
申込者及び配偶者(以下、「申込者等」)の手取り月収額(賞与を含む)が下記の基準を満たしていることが要件となります。離婚事件などで配偶者が相手方のときは収入を合算しません。
申込者等と同居している家族の収入は、家計の貢献の範囲で申込者の収入に合算します。
人数 | 手取月収額の基準 注1 | 家賃又は住宅ローンを負担している場合に加算できる限度額 注2 |
1人 | 18万2,000円以下 (20万200円以下) |
4万1,000円以下 (5万3,000円以下) |
2人 | 25万1,000円以下 (27万6,100円以下) |
5万3,000円以下 (6万8,000円以下) |
3人 | 27万2,000円以下 (29万9,200円以下) |
6万6,000円以下 (8万5,000円以下) |
4人 | 29万9,000円以下 (32万8,900円以下) |
7万1,000円以下 (9万2,000円以下) |
注1:東京、大阪など生活保護一級地の場合、()内の基準を適用します。以下、同居家族が1名増加する毎に基準額に30,000円(33,000円)を加算します。
注2:申込者等が、家賃又は住宅ローンを負担している場合、基準表の額を限度に、負担額を基準に加算できます。居住地が東京都特別区の場合、()内の基準を適用します。
資産要件とは
申込者及び配偶者(以下、「申込者等」)が、不動産(自宅や係争物件を除く)、有価証券などの資産を有する場合は、その時価と現金、預貯金との合計額が下表の基準を満たしていることが要件となります。離婚事件などで配偶者が相手方のときは資産を合算しません。
人数 | 資産合計額の基準 注1 |
1人 | 180万円以下 |
2人 | 250万円以下 |
3人 | 270万円以下 |
4人 | 300万円以下 |
注1:将来負担すべき医療費、教育費などの出費がある場合は相当額が控除されます。